ボン君の成長記録(4才から4才3か月まで)

 

 

まだ気候のよかったこの季節、テラスで野菜をプランター栽培した。二十日大根、パセリ、バジル、ピッコロ人参。それらを使っての夕食は美味しく、またお手伝いも積極的にしてくれて成長を感じる日々でもあった。

いよいよ待望の幼稚園が始まる。体験入学をした時から親子共々”これはとてもいいかもしれない”と感じていたのだが、やはりそうだったようだ。以前行っていたシュピールグルッペは先生はよかったが、内容は”さあ、今度はみんなでお絵書きしましょう。”“さあ、今日はお外に行きましょう”とみんな同じ事をいつもやるタイプだったので、息子には合わなかったのだろう。育児は親子一緒に学んでいく事が多い。

集中を重要視する幼稚園なので疲れるのだろう、夜はさらに熟睡してくれ、早寝早起きが徹底された気がする。因に20時から20時半に寝て、朝は7時前に起きるという生活。私は彼が寝たあとゆっくりと湯船に浸かる事も出来て何年ぶりか?というゆとりを感じる。

あまり”幼稚園はどうだった?楽しかった?何した今日は?”と聞いてはいけないらしいが、ついつい知りたいあまり聞いてしまう。でも担当教諭に聞いたりもして把握するようにはしている。 この頃にあった、”親の会”のようなものに夫と行ったけれど、密かにカシャッと撮った授業中の息子の写真を見ておもしろかった。というのも本当に深く集中していて写真を撮られた事に気付いていないのだから。

4歳児検診に行った。ちょうど風邪を引いていて耳も痛がっていたのでまた中耳炎かと心配したが、ちょっと赤くなっているだけで、鼻水を押さえればなんて事はないだろうと言われ安心した。 水イボの方だが、何となくよくなった様な気もするのだが、まだまだひどい。気長に自然治癒を待とうという事になる。

幼稚園からサーカスに見学に行く。付き添いのボランティア歓迎、という事だったので私も付いて行った。あまり、サーカスというのに良いイメージがなかった。というのも、ネガティブな意味での見せ物的な先入観があったから。でも、一緒に付いて行って良かった。みんなで見学したこのサーカス団は、どちらかというと、アクロバティックな物を主としているもので、そうした事が出来るようになるには高度な集中力、全身のバランスが必要なのだとわかった。空中ブランコを試し乗りも出来、ほぼ全園児が体験し、わが息子も誇らしげに立ち上がった時は私も誇らしげだったに違いない。こういう時にしっかりとカメラを忍ばせている他のママたちに感心する。日本人はカメラ好きって誰が言い出した??持って行けばよかった。

夜は疲れて、私は何も出来ないから、午前中に静かな時間が持てるというのは貴重だった。お陰で仕事もはかどり充実の日々だ。その上、気の合う日本人ママとカフェで午前のおしゃべりまで出来、ストレスも解消された。

息子はご飯を食べるのがゆっくりで、それほど食べる方ではない。だから朝ご飯は時間と神経との戦いになる。そのくせ、自分が食べられる量以上のものを皿に盛って欲しがるしついつい怒ってしまう。

園では息子は相変わらず、彼なりの愛情表現から、ぎゅーっときつく抱きしめたり、押したりするので困るのだけれども、私も彼に、みんながみんな○○ちゃんの様に、そういう事をして欲しいわけではない、色んな人がいるのだという事を気長に教えなければいけないなと感じている。そして私も堂々としていなければならない。

本当は午前だけのつもりだったのだけれど、この幼稚園は夕方まであり、給食も出るので、彼を迎えに行く頃にはお昼ご飯の用意をしているところ、という事になる。そこで自分だけ(というわけではないのだが)家に帰るのが嫌なのか結局週に2回だけお昼ご飯も園で食べる事になる。

なるべく園の行事には積極的に参加するようにしている。園のプロジェクトの為寄付金を集める事があったのだが、知人に誘われた事もあり、ボランティアで参加する。色んな国から来ている親御さん達と交流も持てて良かった。普段は送り迎えですれ違うのみだから。

面白かったのはこの頃あったハロウィーンパーティでは息子は全く関心を持たず、むしろ他の園児たちが仮装して登園して来たものだからすっかり怖がってしまい、この後2、3日園に行くのを嫌がった事だ。目新しい事に興味を持つ事の多い彼だが、新しい服とか、日常と違う事が起こると敏感に反応したりもする。 歯医者に連れて行った時もそうだ。取りあえず私も夫も検診だったので、見学がてら連れて行ったのだが、私の治療には興味は示すが自分は嫌なようだ。歯科医は”まあ、特に痛がっていないようなら5才からでも大丈夫だよ”と言った。その歯、といえばコーラなんかは飲ませていないが、お菓子も与える事があり、歯磨きをしていても何となく虫歯の前ぶれのような歯が増えて来ている気はする。

トラブルもやっぱり欠かせない。久しぶりに天気のよかった日に公園で遊ばせていたら、たまたま高かったその滑り台から頭からまっ逆さまに落ちた。”コン”と”ゴン”の間のような鈍い音がして”あっ”と見たときには既に息子は地面に倒れていた。瞬間を見なかったのでその場にいた小学生と本人から聞いた限りだが、本来滑るところではない縁から滑り降りたかったらしくバランスを崩して落ちたらしい。頭を打って、本人がぐったりとしてきたのですっかり動揺してしまい、何をすべきかが判断できなかった。結局救急車で病院となったのだが、幸い打ち所がよく無事だった。まさに寿命が縮んだ。こういう緊急時の為に、あまり好きではない携帯電話を持っているのに、それを家に忘れ、挙げ句の果てに、これまたいつも持っているのに筆記用具をその時は持ち合わせず、連絡が非常に困難だった。

この頃の旅行先のローマでは、交通量も多くハラハラする事も多かったが親子3人で気分転換が出来た。 家ではぬか漬けを始め、”今日はキュウリが入ってるから探して”と息子に泥遊びもどきでお手伝いをさせたり、市場で買った新鮮な野菜を洗ったり、切ったりも上手に出来る様になった。

家での彼はというと、、、
ひらがなとアルファベット(英語よみ)は読める。カタカナは少し。 数字はもう長らく読めるが、書く事も二桁までなら出来る。 ひらがなとアルファベットの書きは、前者が4ー5割、後者が8ー9割といったところ。 面白いのは特に教えた事もないのに、私が将来の為に買っておいたドリルのような物を持って来て”これはなんとよむ”と聞いて来て、いつの間にか覚えてしまっていたこと。

絵の具で絵を描くのが好きで、週に3回ぐらいはしていただろうか?その他、一人で歌を歌ったり作曲したり、なじみの歌をラップ調に歌ってみたりもして、ラップなんか私も夫も聴かないけれどどうして?
折り紙、パズル(50ピース程度)、お買い物ごっこ、Lego、電車のおもちゃ、本読みが彼の好きな事。
私たちも彼が寝る前に本や図鑑等を読むようにしている。

自転車は、補助輪無しで乗れるのだが、漕ぎ出しは助けが必要、ブレーキの掛け方にまだ難はある。

周りにはバイオリンやバレエ、公文を習わせている人もいるのだが、私はまださせたくない。幼稚園や家で習う事がたくさんあり過ぎると思っているし、特に園ではリトミックの授業もあるのでそれで十分と思っている。何より、発達に沿ったバランスのよい教育をしてもらっているので今のところそれ以上望む事がない。
ただ、柔道だけは習わせたい。5才ぐらいから。というのも、私と父は柔道黒帯、弟は空手茶色帯という家なので、やっぱりエゴから彼にも習って欲しい。

 

4歳3か月   17キロ  105センチ  

 

12/01/05