バスケットボールダイアリーby Rika in PARIS


はじめに(wakana)

私とRikaちゃんはトロントで出会いました。九州女なのに非常に大阪ノリの彼女と私はすぐ仲良くなりました。その後、私も彼女も色々なことがあって、お互い落ち着いたところが、チューリッヒとパリという近所だったのです。

私は(疲れた)スイス人、Rikaちゃんは(超美形の)フランス人というパートナーを見つけ、ほぼ10ヶ月違いで出産をし、今二人とも育児中心の生活です。そんな毎日で、自分を見つめ直す機会はなかなか無いのですが、「どう書いてみる?」という私の脅しに、Rikaちゃんも乗ってくれ、忙しい合間をぬって書いてくれたのがこの「バスケットボールダイアリー」です。

タイトルは、臨月のお腹がバスケットボールそっくりだからと言うところから付けたそうです。それでは、本当に大変だった妊婦生活をお読み下さい。


 大学在学中からラテン諸国を放浪してるあたしにとって、妊娠・出産・結婚、いつ、どこで、ナニ人と???が自分の中、あたしの友達中での長い間のミステリーだったが、それがとうとう実際のものとなったのは、なんと日本だった。ちょうど、巴里から日本へ、一時出稼ぎに帰ってる時の事だった。

《登場人物》

母親:あたし
父親:レミ
そしてまだ名のないお腹いる子:notre franco-nippon=our french-japanese

【日本でのできごと】

とある東の温泉地でアルバイトしていたわたしは、毎日、温泉に2時間くらいゆっくりつかっていたのに、急にのぼせるのが早くなったことに気付く。そして、生理不順。生理がこないのは、度重なる移動から、と自分にいいきかせて来ていたのが、「まじでやばい!」と、トイレに入る度、「こないよね」と何度も確認する。子供は、いつ、何時でも、持ちたいと思っていたけど、それが、不意打ちにくるとやっぱり驚く。フランスに住みはじめたのも、つい最近。まだ、仕事もしたことない。

ことばもいい加減にしかわからない。先走る不安と驚きで、しばらく、ほっといた。っというか、様子を見ることにした。でも、そういう時の直感って、あたるもの。自分の中では、100%妊娠だ!と思った。まだ、レミと子供を持つことに準備ができていなかったあたしは、しばらくひとりで悩み、そして、誰に相談することなく、産むことを決心した。

その後、レミに話すまでに1ヶ月かかる。意外にも、この出来事にとても喜んでくれたレミのおかげで、あたしの不安は、一気に一掃された。おめでただ!(でも、この時は、まだ、病院にも行ってなかった。薬局で売っているような、妊娠検査薬で試すのも意味ないと思っていたので、使わなかったから、はっきりとは、わかってなかった。)

バイトの休みをとって、産婦人科へ行く。医院へは、山を降りて、さらに、隣街へ行かねばならない。JRの駅の立ち食いうどんで、うどんをすする。すでに、つわりがはじまっていたあたしにとって、食を勧めるのは、なぜか、うどんとトマトだった。。。後で、あたしなりに分析すると、やわらかくて水分のあるものが欲しかったらしい。ちょうど、秋のおわり、冬にさしかかる頃だったので、ではじめのみかんも、迷わず「ひと箱」買った。結果は、12週目。この医院でお産をしないせいか、先生は、かなり事務的で、いろいろ質問ができる雰囲気でもなく、一方的にしゃべられて、おしまいという感じだった。まぁ、あたしの方も、お世話になるって気はなかったので、別に気にしなかったけど。

【フランスに着いてから。】

日本を発つ時は、つわりの絶頂期で、頭くらくら、足ふらふら、もうひとりでいるのは、嫌だった。
精神的に限界にきていた。
逃げるように飛行着にのり、12時間とロンドンから乗り換えは、もうすぐ巴里に着く!レミのもとに帰れる、という気持ちでいっぱいだった。

とにかく、巴里に着いて、ゆっくりしたかった。が、現実は、そう甘くなかった。結婚手続きをしてないあたし達にとって、あたしの滞在証明と出産準備とで、やることは山のようにあった。

日本を発つ前に、日本の病院での全ての書類を持ってかえってくるように、とレミに言われてたので、血液検査の結果英語版と、超音波検査の小さなコピー一枚をフランスに持ち帰ったわけだが、みんなにこれだけ???と言われた。これだけっていわれても、他に何が欲しいのか、あたしのカルテまでもって帰ってこなければいけなかったのか、不思議だった。

このフランス人達が話す全てのことが????だらけだった。まず、フランスは、産科と婦人科にわかれているところから始まる。そして、この時期(妊娠4ヶ月以降)、医院をみつけるのは、難しいという。それがなぜだかは、いまだによくわからない。フランスはそんなに子だくさんなのか!!!とりあえず、日本のシステムとはだいぶ違うよう。それから、みんなが話題にするのが、トクソプラズマ。何それ???

つづく